ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート
おもしろいですね!
もともと医療ドラマ大好きなので、毎週とっても楽しみに見ています。視聴率もトップをはしっています。
- 時間外に技師が再検査することが不平等!?
- 卵巣の腫れの手術は4か月待ち
- 世界に誇る日本の医療制度
- 中国では病院によって医療費が異なる
- VIP待遇を受けたいときの制度
- 風邪をひいたときは薬局か町医者に
- 医療の平等って?
時間外に技師が再検査することが不平等!?
私など、ヒーローの唯織(窪田正孝)くんの画像診断の技術のすごさに、毎回感動しながら見ているだけなんですけど・・・。」
第7回の患者対応について、
「これって、ほんとに平等なの?」
という批判が出ていたんですね。みなさん厳しい!
乳がんが疑われる患者。エコー検査が必要となったけど、検査予約がこんでいて2か月待ち。2か月待つ間にがんが進行するのではないかと患者側は不安でいっぱい。
他の病院もあたってみたけど、早々に検査してくれるところはない。知りあいだからといって、検査の順番を飛ばすわけにはいかない。
そこで、唯織は技師としてできるマンモ検査を、再度時間外に行って乳がんを否定する。
この、再検査が時間外に特別に行われたところが、完全に平等とは言えない!という批判のようです。
「ラジエーションハウス」これまでの放送はFODで見ることができます。 ↓
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卵巣の腫れの手術は4か月待ち
今日、父を訪問してくださった看護師さんは、市民病院を受診したところ、卵巣が腫れていて手術が必要と言われたけれど、4か月待ちだったんだそうです。
悪性腫瘍の場合でも2か月待ち!
手術までの間に、万一容体が悪くなったら
「救急車で、必ず家族同伴で来てください。」
とまで言われたそう。そのときは、たいへん危険な状態になっていると予想されるということ。それほどの状況であるとわかっていなから、それでも、手術まで4か月待ちはどうしようもないのだそうです。
そこで、しかたなく都会の病院を受診して、早めに手術をしてもらったんだそうです。
ラジエーションハウスの場合と同じです!
その後、「市長への手紙」を書いて、現状はこうなっています。医師を増やすか検査ロボットを導入するか、など市民の健康を守る努力をお願いします。
と陳情したそうです。
身近な方が、そんな場面にであっていたなんてびっくりしました!
世界に誇る日本の医療制度
ところで、国民皆保険という日本の医療制度ってすばらしいですよね!
誰もが最高で3割の負担で病院にかかることができます。高額医療費がかかるときには、そのための補助制度まであります。
世界に誇る医療制度ですね。
しかも医療費はどの病院にかかっても、保険点数で計算されますから同じです。
医療レベルが高い → 診療費が高い
医療レベルが低い → 診療費が安い
とはなりません。
日本的感覚では、かかる病院によって医療費が異なるなんていう発想はありません。日本の医療制度は、とても、とても平等であると、とらえることもできます。
でも・・・。
日本の場合、市井の医者にかかっても良くならない。それでは高額のお金を払って高いレベルの医療を受けたい、という選択はできません。(もちろん、お金払ってでも早く手術受けたい!という希望も通りません。)
他の国では病院によって医療費が違うというのが当たり前になっているようです。
中国では病院によって医療費が異なる
中国では、基本的に医療費は自費。
最近では、大都市などで改革が進んできているようではありますが・・・。
息子が中国で命にかかわる大けがをしたのが 2015年の夏でした。
その際には、どこの病院にかかるかで、医療費はまったく異なりました。しかも必ず前払い。どんなに命にかかわる緊急時事態でも、お金を払わなければ診療してもらえません。救急車でさえ有料、前払い。やっぱり日本はその点では安心感がありますね。
そもそも、中国の病院はあらかじめランクづけされているのです。
https://sino-japan.univff.com/sos.html
一番上の等級が 三級甲。
設備も充実しています。海外留学経験のある語学に堪能な医師がいる、などスタッフもハイレベルです。
ちなみに、病院の等級は次のようになっています。
三級甲(一番上)
三級乙
三級丙
二級甲
二級乙
二級丙
一級甲
一級乙
一級丙
医療レベルが高い → 診療費が高い
医療レベルが低い → 診療費が安い
となっています。
同じ等級の三級甲の病院の中でも、病院によって医療費は異なり、その差は2倍になることも。
実際に息子が治療を受けた 广州中医药大学第一附属医院 は三級甲の病院で、そのときの治療費は100万円ほど。けれども、別の三級甲の广州市第一人民医院に、もしかかっていたら、200万円ほどかかったはずとのことでした。
人民病院は中国国内のVIPが集う病院で、スタッフも共産党員のバッチをつけた方が多かったそうです。
VIP待遇を受けたいときの制度
自分の状況と治療費のことを考えて病院を選んで受診している他国の人々。ある意味、日本人には選択できない自由を持っているとも言えます。
さらに中国では、病院に行ってからVIP待遇を期待する場合には、VIP待遇を受けられる制度があります。
病院により詳しくは異なりますが、通常の約3倍もの医療費を支払うというVIP制度を選択することで、さまざまな特別待遇を受けることができるのです。多くの患者さんが順番待ちをしている中で、順番も優先して診てもらうことができます。
これを不平等だと捉えるか、合理的な制度ととらえるかは、日本国内には賛否両論が湧きそうですね。
順番を飛ばすといっても、この制度を利用する人はほんの少し。稀に1人が先に順番を飛ばしたところで、自分の順番は5分ほど遅くなる程度。VIP制度を利用した患者は、その代価に満足して時間を買い、病院側は利益を得られる。
したがってこの制度は合理的制度であると考える人々もいます。
風邪をひいたときは薬局か町医者に
ほんのちょっとした風邪をひいたときなどはどうするのか、中国の知り合いに教えてもらいました。
ほとんどの国民は薬局で薬を購入してお湯とともに飲む。
1週間くらいで治る、とのこと。
お金のある人は、病院に行って点滴をしてもらう。
その時に、選ぶ病院のレベルはさまざま。治療費を考慮して決めます。
都会のほうが医療費は高いようで、
「広州なら多分 300元~400元くらいかかると思います。
田舎ならだいたい80元くらい。」
のだとか。
たいした風邪ではないと思われて、高い治療費をかけたくないときは、こういった町医者に。
駐在中の日本人の場合は、たいてい海外旅行保険に入っていますから、外国人用の等級の上の病院に行きます。費用の心配はなし、病院が通訳まで準備してくださっていますし安心ですものね。
さきほどの中国の知人は、日本人上司が風邪で病院にかかったときのことを教えてくれました。
「支店長が風邪をひいたときは上級病院に行きました。
費用は 2500元かかったそうです。
支店長の場合は、保険でカバーできるので高額でも気にせずに病院に行きます。」
会社で海外旅行保険に入ってくれているからですね。
日本の場合、ちょっとした風邪なら、どこの病院に行っても、似たような治療や処方。費用もほぼ同じ。他国の方は、そうはいきません。とくに、医療費が自費の国では費用は高額となり、その後の生活にも影響してきます。
医療の平等って?
医療の平等って、答えが難しいテーマなのかも・・・。
細かい事例を挙げていったら、論争の裾野は無限に広がり収集もつかなくなりそう。
医療関係者の知り合いがいるかいないかがポイントになっている日本の医療と、お金で解決できる中国などのシステム。
1長1短がありますね。